2016年8月29日月曜日

デスクトップアーミー クリエイティブコモンズライセンスフィギアの楽しみ方 2 公式配布されている3Dファイルについて

概要編で公式サイトで3Dプリンタ出力用の3Dデータが配布されていると書きましたが、今回はこの配布ファイルについて説明してみようと思います。

デスクトップアーミー公式サイトhttp://dt-a.jp/から
Database/ダウンロードをクリックします。
ガイドラインとライセンスをよく読んでからダウンロードボタンをクリックするとメールアドレスとライセンスへの同意欄が出ますので、記入してデータをダウンロードする。をクリックします。

これで、DA_B101_dl.zipファイルが手に入ります。
zipファイルの中にDA_B101_dlフォルダに格納された16個のstlファイルと2個のjpegファイルが入っています。

jpegファイルのうちlogo_data.jpgはライセンス表記用のロゴファイル

で、parts_list(B101).jpgは収納されているstlファイルの説明書になります。

stlファイルは3Dプリンタ用ファイルを配布する際の標準的なフォーマットとなっています。3Dプリンタで出力する際は3Dモデリングソフトで調整したり、スライサーソフトで3Dプリンタで出力するためのファイルを生成します。

下は非商用であれば無償で使用できるAutodesk社の123D Designに読み込んでみた状態です。
stlファイルには座標データも入っているため、座標データが反映されるソフトに16個のstlファイル読み込んだ場合はフィギアの完成品の形状で読み込まれるようになっています。


面が多すぎて、輪郭線が全体を覆ってしまっているため、黒っぽくみえています。

このまま出力ファイルを作成すると、すべてくっついた非稼動モデルとして出力されてしまうため、モデリングソフトかスライサーソフトで位置調整を行います。
下は私が使用しているcube 2nd gen専用のスライサーソフトで並べなおした状態です。

3Dプリンタで出力するとこんな感じになりました。家庭用で普及しているFDM方式(俗に言うにゅるにゅる型)だと、ラフトと呼ぶプリント物を定着させるための下地板に形成する網目とサポートと呼ぶ柱状の支えが必要になってきます。下の写真は最初に出力したときの写真です。
サインスマートのABS樹脂を使用しています。

出力後はこれらから取り除く作業が必要になります。が、単色の3Dプリンタではラフト・サポートと出力物が同じものでできているので、見分けが付きにくくなってしまいます。また、ラフトやサポートと接触している部分の造型は出力時に上を向いている面より荒く・低精度に仕上がってしまいますので出力時の向きに注意する必要があります。
実は上の写真の向きと分割は失敗でした。はめあわせ部にサポートが付いたので、はめあわせ部が埋まったり、突起とサポートの見分けがつかなくなってしまいました。FDM式3Dプリンタで一般的に使われるABS,PLA共に硬いプラスチックであるため、間接部のジョイントもまともにはまりませんでした。

間接部のジョイントはフレキシブルフィラメントと呼ばれる弾性のあるフィラメントで作り直すことで組み立てました。
ABSの設定で出力できるフィラメントが市販されており、それを使っていますが、糸引きがあるため、出力後にはさみなどで形を整える必要があります。製品版に合わせるなら本体に軟質素材、ジョイントに硬質素材を使うのがいいのですが、手持ちの環境では逆にならざるを得ない状況となっています。
下がフレキシブルフィラメントで作成したジョイントです。

最初に出力した際に使用したフィラメントはすでに販売していないようなので、最近購入したサインスマートのTPUフィラメントで出力した写真を掲載します。糸引きによるバリがひどいですが、TPUははさみでも切れるので、比較的簡単に形を整えられます。

こちらが2015年12月に作成した記念すべき1体目の3Dプリント出力品。半ば無理やり作ったものになります。


配布データなので当然ながらひじ、ひざは曲がりません。
次はひじ、ひざを曲げるためのデータ作成方法について解説します。

2016年8月27日土曜日

デスクトップアーミー クリエイティブコモンズライセンスフィギアの楽しみ方 1 概要偏

2016年7月にデスクトップアーミー第一弾 シルフィーシリーズが発売になりました。
Amazonなどのオンライン販売は6個入りBOX単位ですが、6種ある武装が全て手に入る仕様になっています。

デスクトップアーミー B-101s シルフィーシリーズ(BOX)
メガハウス


デスクトップアーミーは武装付きアクションフィギアで普通に遊べるのですが、実はかなり革新的なライセンス形式で発売されているフィギアになります。

普通市販のフィギアを改造するのは個人的な楽しみのためでそれを販売するには許可が必要なことは広く知られています。しかしデスクトップアーミーはなんと、発売前に製品の3Dデータを配布して、かつ、クリエイティブコモンズライセンスに基づき商用利用までできてしまうのです。

ロゴを表示するなど、ライセンスで決められたことを守れば、他社の権利侵害や公的秩序に反しない限り改変販売自由だそうです。

細かいライセンス形態と3Dデータはホームページで確認ください。

http://dt-a.jp/dl/guideline.php

同じページで3Dデータも入手できます。
提供されているデータだけではひざとひじ間接が曲がりませんが、3Dプリンタをお持ちであれば、製品と同じサイズの素体を出力することができます。
ただし、3Dプリンタを持ってないからといって、3Dプリントサービスに持ち込むのはお勧めしません。素体一個出力するのに色が付いて関節が曲がり武装まで付いた製品版が下手したら3つ買えてしまいます。


それもあって、3Dデータの事前配布しても話題性で利益が上がると踏んだのでしょう。それに釣られた私は通常版1BOX6個と色違いの限定版2個セットの計8個買ってしまったので、少なくても私に対しては戦略は成功したと言えそうです。

このブログは3Dプリンタの活用がテーマなので、最終的には販売するまでが目標なのですが、まずは製品版のデスクトップアーミーをみてみることにしましょう。

外箱はこんな感じ


















内容物
マニュアル(共通)、素体一体(シルフィ)、共通ランナーパーツ、共通シール
個別のランナー、一部髪パーツ入り。
写真は6種のうちの 04 【偵察型】スカウト。

左上のランナーパーツが共通の台座。
右上の白ランナーパーツ、右下の灰色ランナーパーツ
ポニーテールはスカウトの個別パーツになる。

素体(シルフィー)は前髪・後髪・ヘッドセット・ボディ・左右の上腕・下腕、左右の太もも、ひざ下、かかとパーツと、両手両足のジョイント、5つの共通ジョイントからできている

立たせるとこんな感じ。素体だけだと、自立は可能です。

間接パーツを台座ランナー付属のものに交換するとこんなポーズも可能です。


















 武装をつけるとこんな感じ。パーツが取れやすいので注意。さすがに自立は難しいので、付属の台座パーツで固定。



ちなみに顔パーツは視線違いの3種ありますが、並べて見てようやくわかる程度の違いしかありません。
左から右向き、正面向き、左向き。



他、マニュアルや箱には載ってない情報は
デスクトップアーミー公式ページ
http://dt-a.jp/

電撃デスクトップアーミー通信
http://hobby.dengeki.com/dt-a/

を参照ください。商品版購入者は必見の情報満載です。

次から3Dプリンタなど、デジタル・アナログ駆使した改造方法について書いていきます。